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仕事はできる限り続けたい!

日本での官公庁や企業では長らく「60歳定年制」が普通でした。
いくら元気で、技術があっても、60歳になる誕生月または年度末を以て退職するのが当たり前だったのです。
しかし、少子高齢化や年金の支給開始年齢が延びるなどの社会的背景、本人の勤労意欲などを考慮してか、平成25年4月1日から改正された「高齢者雇用安定法」が施行されました。
これは定年を迎えた労働者が希望した場合、65歳までの再雇用を企業側に義務づけるというものです。

◆仕事人間は認知症になりやすい?

仕事一筋で頑張ってきた人ほど、定年後の時間を持て余してしまい、その結果周囲が驚くほど早く老けこんだり認知症のリスクが高まると言われています。 実はこれはまったく根拠のない話ではありません。
認知症は記憶や感情を司る、脳の前頭前野の機能が衰えることによって発症するとされていますが、この部分は左脳・右脳両側から情報を得ることで活性化します。
数字や理論などの左脳的なものばかりでなく、何かを美しい、楽しいと感じる右脳からも情報を受け取ることが必要なのです。
ところが、現在定年を迎えようとしている、あるいはすでに退職して第二の人生を歩んでいる世代はどうでしょうか。
冗談や軽口はふざけていると感じる、芸術やスポーツには全く関心を示さない、いつも仏頂面で楽しそうな様子を見せたことがない…一昔前の「仕事人間」にはよく見られた特徴ですよね。 こうした左脳ばかりを酷使している、「感性の欠如」は脳にとってアンバランスな状態です。
かつては「勤勉、真面目」と評価されたこれらの特性も、仕事をやめてしまえば「融通がきかない、頑固」などと逆に作用する可能性も…。
本来なら自由に趣味や新しい交友関係を楽しめるはずなのに、こうした点が原因で消極的になって引きこもりがちになってしまったり、うつ状態に陥ってしまうこともあるそうです。

◆職人には生涯現役が多い

一方、さまざまな分野の「現場」で仕事をする職人たちや専門職従事者はどうでしょうか。
「自営業者は生涯働かなくてはならない」と言われますが、定年がない、と捉えることもできます。 また、手先を使うため認知症になりにくい、と言う説もあります。
もちろん職人の中にも発症する人はいるのですが、かなり高齢まで現役で活躍する機会が多いのは事実。
そして専門的な技術を身に着けていると再就職も比較的容易です。高齢者の枠に入るような人でも、その熟練の技を求められたり後進への指導を依頼されることもあります。 定年退職した元サラリーマンよりも元気に見えるのも当然でしょう。

◆健康のためには働き続けた方がいい?

最近は業種に関わらず、定年になっても働きたいという人が増えています。
それは年金の支給開始まで間があるため生活費を稼ぎたい、余裕を持ちたいというだけでなく、自分が社会に必要とされている、役に立つ人間だと実感したい気持ちも多分にあるでしょう。 つまり、「生きがい」を求めているということです。
今後、平均寿命が伸びていけば、それだけ「老後」と呼ばれる定年後の生活も長くなります。
その第二の人生を健康で充実したものにするためにも「仕事」とは何らかの形で関わっていたいものですね。