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芸術家は長生き?~生涯現役の気概を持ち続けること~

「芸術家は長生き」という説を聞いたことはありませんか?
例えば、日本で言えば1913年生まれで現在も現役の画家・篠田桃紅さんを始め、103歳で亡くなった画家・大竹富江や片岡毬子、105歳まで生きた小亀遊亀など、枚挙にいとまがありません。
なんと107歳まで現役を貫き、ギネスにも認定された彫刻家・平櫛田中の他、奥村土牛(101歳)、北村西望(102歳)といった歴史に名を残すご長寿芸術家は多く見られます。

◆芸術家が長生きなのは昔から?

これは日本だけの現象ではなく、海外でも同様。
かのピカソは92歳、シャガール、ミロは90歳、ダリ、モネ86歳、マティス85歳と100歳オーバーの芸術家たちの後では少々インパクトに欠けるかもしれませんが、平均寿命から見るとかなり長生きの部類に入りますよね。
ルネサンス期の巨匠ミケランジェロは89歳で没と、当時としては大変な長寿でした。

◆その秘訣は創作意欲にあり?

奥村土牛は著書の中に「やっと分かりかけてきたと思ったら八十路を超えていた」と言う言葉を残しています。これは84歳の時の言葉で、続けて「芸術に完成はあり得ない」とも語っており、その未完成をどこまで大きくできるか精進していきたいと結んでいます。
それから約17年、土牛は現役の画家であり続け、101歳の天寿を全うしました。
また、平櫛田中には100歳の時の「60、70は鼻たれ小僧、男盛りは100から、わしもこれから」という名言があります。
100歳を過ぎてからその後30年分はある彫刻用の材木を購入したりと、その創作意欲は亡くなるまで衰えることがなかったそうです。

最近の研究では、芸術家に長命の傾向があり、認知症が少ないのは事実であること、その理由として創作活動への熱意が大きく関わっていることがわかってきました。
絵画や映像、彫刻などを創作している人は、そうでない人に比べて脳の神経細胞の集まりである灰白質が頭頂葉に多く存在しているのだそうです。
これは自分の頭の中で立体を平面に変換したり、イメージしたものを具現化することにより脳が鍛えられるからなのだとか。
言わば毎日「脳トレ」をしているようなもの。
実際、絵を描く時には前頭葉の血流が活性化されることも実証されています。
さらに、実証はされていませんが、物事に熱中している間は肉体的な年齢を取らないという説もあります。
例えば、プラモデルや機械いじりなどに夢中になって、気がついたら数時間経っていた、というような場合ですね。芸術家はまさにこうした状態が日常なのです。

◆作家との違いはどこにある?

手先を使う、没頭する点では作家も同じはずですが、画家などの芸術家に比べると短命なイメージがありますよね。
しかし、夏目漱石は50歳で亡くなりましたが、当時は平均年齢がこのくらいだったという時代背景を考慮するとさほど短命というわけではありません。
芥川龍之介や有島武郎、太宰治などはいずれも早逝しましたが、いずれも心の病や恋愛問題を苦にして自ら命を断った結果ですから、これらも除外されるでしょう。
ただし、〆切や世間の評判、本の売れ行きなどプレッシャーを受けることが多いのは事実。自分のペースで創作できる芸術家よりはストレスにさらされやすい環境が寿命に関係していると言えなくもないかもしれませんね。