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飲酒は寿命を縮める?伸ばす?

お酒を飲みすぎるのは体に悪いと言われていますが、少しの飲酒なら逆にメリットもあるという話もたまに聞きますよね?お酒を飲む人と飲まない人では寿命に差が出るのでしょうか。

◆適量の飲酒は死亡率を下げる?

毎日適量飲酒する人は、全く飲まない人や時々飲む人と比べて心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率が低いという調査結果が出ています。ただし、毎日大量飲酒する人やアルコール依存患者になると、冠動脈疾患による死亡率が格段に上がります。飲酒量と死亡率の関係をグラフにすると最初の方で少しだけ下がってJの形になるので、これは「Jカーブ」と呼ばれています。少しの飲酒なら健康にいいというのは事実のようです。

また、リラックス効果があるので、病気の原因でもあるストレスを和らげてくれます。大脳新皮質の働きを鈍くして、感情、衝動、食欲、性欲など本能的な部分を司る大脳の古い皮質の働きを活発にする作用があるため、精神が高揚し元気が出てくるのです。このようにお酒は健康に悪影響を与えるだけでなく、いい効果も与えてくれます。

◆適量でも脳を萎縮させる作用も

それでは飲み過ぎない範囲ならお酒は飲んだほうがいいのでしょうか?実はそうともかぎらないんです。お酒を少量でも飲むと脳が萎縮します。過去の飲酒の影響は残り続けるため、脳の萎縮に関しては適量でも飲酒は避けるべきものなのです。また、お酒を飲む人の大半が適量を超えて飲んでいるのが現状です。もし今お酒を飲んでいないなら、少しの飲酒は死亡率を下げるからと言って、無理に飲まない方がいいかもしれません。

◆飲酒とがんの関係

お酒には日本人の死亡原因1位であるがんのリスクを高める作用もあります。さまざまな部位に影響を与えますが、特にお酒が通過する口腔、喉頭、咽頭、食道などの部位、アルコールを分解する肝臓にがんが発生する可能性が高いようです。

ある調査で、ほぼ毎日平均2合以上3合未満お酒を飲む男性と、お酒はときどきしか飲まない男性のがんでの死亡率を比べたところ、毎日飲む男性は1.4倍がん罹患率が高いという結果になりました。やはり飲酒するとがんになるリスクを高めてしまうようです。(ただし、1日平均2合未満の人の場合、ときどき飲む人と大きな差はありませんでした。)

◆禁酒できない場合は休肝日を設けよう

お酒を飲みすぎると寿命を縮めてしまう可能性もありますが、完全にやめるのは難しいという人も多いはずです。そういう人は、週に2日は休肝日を作ることをおすすめします。お酒を飲まない日があれば、アルコールを代謝するために働いている肝臓を休めて回復させることができるからです。肝臓が回復すればアルコールを分解する能力が上がって二日酔いを防げます。また、肝硬変や脂肪肝、高血圧のリスクを下げ、アルコール依存症になるのも防ぐなど、さまざまなメリットがあるのです。ある調査では飲酒習慣がある男性のうち、6割に休肝日がないという結果が出ました。休肝日がない男性は、休肝日がある男性と比べると総死亡率が高いこともわかっています。禁酒は無理だという人は、ぜひ休肝日を設けましょう。

ただ、休肝日と言っても肝臓では毎日お酒の他にもいろんなものの消化を行っているので、完全に休めるわけではありません。また、休肝日のあるなしにかかわらず、大量に飲酒した場合は同じくらい死亡リスクが高まります。お酒を飲むときは適量にとどめておきましょう。