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年を取るのも悪くない!?映画「100歳の華麗なる冒険」

2013年、スウェーデンで封切りされるや否や話題となり、世界各国でもヒットした「100歳の華麗なる冒険」という映画をご存知でしょうか?
この作品は、老人ホームに暮らす100歳の主人公がバースディパーティの夜に窓から脱走し、あてどない旅に出るところから始まります。
日本だったら「徘徊?」と思われてしまいそうですが、主人公アランは頭も健康状態もしっかりした男性。
ひょんなことから手にした大金が元でギャングと警察から追われる身になってもまったく慌てる様子もない「大人物」っぷりを披露してくれます。

◆原作もスウェーデンの小説

この映画の原作となったのはやはりスウェーデンの作家ヨナス・ヨナソンのデビュー作「窓から逃げた100歳老人(西村書店刊)」です。
本国のみならず世界40カ国で翻訳出版され、合計で800万部を売り上げたという大ベストセラー。
その人気を受けて映画化されると5週連続でNO.1となり、あの「アナと雪の女王」を超える興行収入をたたき出したそうです。
内容は100歳になるアランが終の住処であるはずの老人ホームを脱走したことから始まるドタバタ劇に彼の過去を織り交ぜたもの。
アランはどこか遠くへ行きたいと最寄りの駅で田舎町までのバスの切符を買います。
ところが、そこでギャングの男から「トイレに行っている間バッグを預かってくれ」と頼まれ、快く応じたところ、男が戻る前にバスが来てしまい、アランは何も考えずバッグを持ったまま乗り込んで去ってしまうのです。
そのバッグにはギャングの闇資金が入っていたため、追われる身となるのですが、同時に老人ホームから捜索願を出されて警察からも探されていました。
逃避行(と言うほど本人は深刻になっていませんが)の途中で知り合った仲間たちと追手を交わしていく間に、彼の過去のエピソードが挟み込まれていきます。
アランは学こそないものの、独学で身につけた爆弾製造の技術を買われて大砲工場に就職し、そこで知り合った革命家志望の友人と内戦まっただ中のスペインへ乗り込みました。しかし、友人は早々に戦乱に巻き込まれて死んでしまいます。アランは友人の敵打ちではありませんが、得意の爆弾で橋を次々に爆破して、いつの間にか反乱軍と戦う立派な闘士になっていました。
ところが、後の独裁者で当時は反乱軍のリーダーだったフランコ将軍を偶然爆発から救うことになってしまったアランは、「命の恩人」として彼の感謝と友情を得ることになるのでした。
アランは政治や権力といったものにまったく興味がないタイプの人間だったようですが、これを皮切りに、20世紀の歴史において重要な役割を果たす人物と交流を持ったり、転換の場に居合わせたりとさまざまな経験をすることになります。

◆年を取るのが楽しくなる?

すべてを紹介するのは差し控えますが、この映画が大ヒットした理由、それは主人公が100歳の老人であり、そして一見普通なようでその過去には想像もつかないようなドラマがあったことでしょう。
荒唐無稽で非現実的なストーリーと感じる人もいるかもしれません。
しかし、元気をもらえることは確か。これまでの人生のすべてを自分の血肉としているかのように泰然自若とトラブルを乗り越えていくアランの姿は、「年を取るのも悪くないかも」と思わせてくれること請け合いです。